僕には能力がない。
謙遜ではなく、事実。
サービスの能力、知識、料理の能力、知識。
どれ一つをとっても三流の男である。
仲間にはそう言われないが、普通のお客様は感じていると思う。
僕は毎日楽しく過ごしている。
それはたぶん自分が出来ないから。
出来ないことが多くて、少しでも出来ると楽しいから。
そしてそれが出来ないと毎日のように落ち込む。
往々にして僕が落ち込むのは混んでいた日の後。
それが今日である。
今日、このお店はオープン以来一番良い売り上げを上げた。
でも、僕はパッとしないどころか、駄目だった。
それだけ忙しいと自分が出来ることも出来なく、こなすことしか出来ない。
そしてお客様にもいろんな意味で迷惑をかける。
それがこのお店の限界と思われているのもしゃくである。
これからこれをどう打開するか。
人を入れるのか、入れないのか。
でも今での出来ることが沢山ある。
僕らの効率が上がればよいのだから。
もっともっと真剣に考えたい。
一つ一つのことを。
それが自分が成長する唯一の手段だから。