昨日、友人の舞台を見に行ってきた。
お笑い芸人だった彼は、今年俳優として新たな道へ飛び出していった。
その最初の舞台を見に行ったのだ。
行く理由は簡単だった。
彼にはチケットを売るノルマがあり、悩んでいたのでそんなことで悩むなら稽古してほしいから、僕が彼のノルマ分を購入し、友人たちを誘い、見に行くことにしたのだった。
15人ほどで見た舞台。
100名規模の小ホールがいっぱいになり、真近で見る舞台は迫力があり、彼の気持ちも伝わってきて楽しむことが出来た。
新しい舞台への挑戦。その決断にも悩みや悲しみがあっただろう。
そして今は自分への期待と不安に押しつぶされそうにもなっているだろう。
それでもその悩みや苦労やしんどい体を感じながらもそれを「幸せ」と感じられ、笑顔で前に向かう道しか見ない大重君。
そんな彼はまだ25歳。尊敬している。
自分の25歳の時、死ぬ気でそんな圧力にも負けず、戦って生きていたかというと「NO」だから。
僕は31歳にしてやっと今大重と同じ感覚を味わっていることに気づいた。
そう、彼の舞台を見て気づいたのだ。
終演し、入り口で彼が出てくるのを待ち、彼と交わした会話は覚えていないが、彼の疲れた顔にある感謝の心と「まだまだだ!」と自分を追い込む目は覚えている。
僕は小さな小規模のお店ではあるが、自分の舞台がある。
その幸せをかみ締め、絶対に忘れずに生きていかなければならないんだと改めて感じた。
そしてどんなことがあっても自分自身で解決し、ここで働くスタッフ、お客様を幸せにしなければならない。
それが僕の幸せだし、夢だから。
彼から6年遅れてたどり着いた舞台。
彼を応援しながら自分を見直すこと。
それがお互い繰り返せていける関係でありたい、大重と。
いつまでも応援しているから心配せず前に進め、大重。
僕もお前を見て前に進むから。
がんばっていてくれてありがとう。