僕は広告代理店時代、ワインを赤と白しか知らなかった。
しかも一気でしか飲んだことはなく、美味しいものだなんて思ったことはなかった。
飲食業に転職してワインにはやられた。
とにかく、わからない。
ボトルに書いてあるのが品種なのか、場所なのか、ブランドなのか、名前なのか・・・
とにかく全く分らなかった。
ワインの本を買い、ソムリエに聞いて、勉強していたが全然頭に入らない。
しかもフランスどころか海外に行ったことのない僕。
イメージも乏しく、お手上げでだった。
でもそんな時、カリフォルニアワイン 「カレラ」に出会った。
そのオーナー ジャンセンだったか?がロマネコンティに憧れ、
フランスのシャトーなどで勉強をして、何とか自分のふるさとであるアメリカで作りたい!と思い、何年もの末誕生したワインとのことだった。
僕は大変興味を持ち、このワインについて書かれた本を買った。
僕にとっては、ワインを年号や作り手、品種から丸暗記しながら試飲して
覚えることより、作られていく物語を知り、興味を自分に与えていくことが
近道であった。
カレラはピノノワールという品種で作られている。
それはフランスのブルゴーニュで使用される品種で・・・
という具合にとにかく数珠繋ぎで覚えられるようになった。
物事には人によって学び方、覚え方、感じ方・・・
十人十色である。
でも自分の・・・というまでには今までのやり方を試して見なければならない。
それを知らずしてオリジナリティを発揮することは出来ないのだ。
だから僕は自分の経験したことの中でしか発想できない。
その発想の中でいかによいお店にしていくとか
良い男になるとか・・・
カレラからそんなことを考えさせられるようになった。
自分自身はどこに向かうのか?
それはカレラに戻ればわかる気がするんだ。
だってカレラは今の僕にしてくれた仲間だから。