okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

ふとした感謝と感動

今日もたくさんのお客様が来店。
久しぶりに会えた友人もいてうれしく思う。

そんな中、ふとホールからキッチンを見ていて涙が出そうになった。
毎度のことだし、いつもそうしてくれているのはわかっているのだけど、今日は感動に値する感謝を感じることになった。

ピッツァを焼く中田君がしきりにテーブルの状況を見ている。
どんなペースで食べているか、ワインは進んでいるのかどうかとか・・・。

温かいまま食べてほしいピッツァをどのテーブルから出すかどうかを確認しているのだ。

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まだどこでお店をやるか決まっていない頃、いやまだ中田君とやるかどうかも定かではない頃。
僕らは恵比寿で飲んでいた。
僕は彼を誘うつもりもなく、ただ飲んでいた。
その時に僕がやりたい店の構想をまるで宝くじを当たったらどうする?みたいな夢物語として話していた。

そのひとつにお客様が見える店、お店の気持ちが伝わる店、極端にいえば年配の方の料理にはオイルは少なめにする。
そんな配慮のある愛のある、楽しい店であることがあった。

オープン当初二人だったこのお店は、彼の配慮無くして成り立たなかった。
「俺はシェフだから」
そんな気持ちでいたら間違いなくつぶれていると思う。

僕は言ったことがある。
「僕とやる以上は、雇われているという感覚では困る。自分の店のように考えてくれ」
と。

今思えば無茶苦茶のことを言っていると思うけど、不安だったから。

でも彼はずっとそう思っていると思う。
少なくてもそのぐらい考えてくれていると思う。

そんなことを思い、彼が必死で料理をしながらお客さまの顔やテーブルを見ているのを確認し、感動した。

配慮に感謝。

そういう日ごろのことにしっかりと感謝できることはこの先も重要なことだと実感した月曜日だった。