okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

600万円

pizzeria-okei2007-11-01

2005年11月1日。
僕は新橋を挙動不審で歩いていた。
誰かに襲われないか、落し物をしないかとか・・・・。

僕はその日、このビルと契約を交わした。
契約時間も11時。何となく11にこだわった。
カズの背番号でもあるから。

そしてその日、保証金と礼金など合わせ600万円強を持ち、
新橋を歩いていた。
10時には新橋についていた。
コーヒーを飲み、新聞を読み、震えていた。

かばんに入っている600万円を手放した瞬間から僕の冒険が始まる。
まだ工事も始まっていない。
何もない。
誰もいない、しらない。

そんな600万円だった。

覚悟のという感じか。

初めての実印、初めての印鑑証明。
僕にとってはすべてが初めてだった。

そして2年後、まだ僕はここにいる。
それだけで本当の幸せと感じられる。
あれから2年、この店は確かに継続したんだから。

僕にとって今日は本当の意味での2周年。
オープンは12月だったけど、自分のものにしてから2年だから。
そして同時に感謝の日。

オープン前の1か月。
毎日のように仲間が片付けや仕入れや掃除を手伝いに来てくれた。
スーツ姿できて、油まみれになっていた。
就職活動中の奴は毎日来てくれた。
毎日僕からの電話で何でもしてくれた。

この店の11月は彼らへの感謝を改めてしたい月。
12月はお客様への感謝をする月。

昨日のことのように思い出す。
不安ながら何かをしなきゃ寝れない自分。
限りなく何もない自分が潔い感じだった。

昨日12時を回って11月になったとき、誰にもバレなかったけど
ぐっと来ていた。
やっぱりきつい時もあるから、つらい日もある。
それもすべていい思い出になってくれた。
いやなことも楽しめた。

2年というのは短いかもしれない。
でも僕にとっては精一杯の2年。
まだまだだけど、やってきた。

あの日から僕はここに来ない日はない。
毎日鍵を開ける、閉める。

自分を振り返って泣ける自分の人生は悪くない。

ちなみに下記は2年前の今日の日記。
あまり変わっていないね

契約しちゃいましたーずどんと積まれた600万円が一瞬で消えていった。これから長いつき合いになる店で数時間一人でボーとしてしまった。十分な設備もない店だけど少しずつスタッフもお客様も快適になるようにしようー。