僕の今があるのは広告代理店時代の一年目のお弁当使いっ走り経験のお陰。
代理店に入社し、すぐに1ヶ月の出張に出かけた僕は100万円持たされて西日本をバスで巡業していた。
その時は演劇の運営が仕事。
来場者にはお弁当が配られる関係でその手配にいつも追われていた。
出張から帰ってきたときは僕は弁当部長。
全部署の先輩にお弁当入りますか?と聞いて回り、毎日何十個も買いに行っていた。
不思議とそれになんと文句もなくお昼になると聞いて回る風習になっていた。
一年後、僕は社内で知らない先輩がいなくなっていた。
そう、お弁当を買いに行くというどうでもいいことを一年続けたお陰で
二年後以降しっかりと仕事を任されていくなかで、上司や他の部署の先輩などとの打合せや伝達もスムーズにコトが運んだ。
通常は一年ではめぐり合えない先輩ともゆっくりと話が出来たことが大きな財産となった。
そして今。
やはりそうだ。
単純に遊んでいた仲間がお客様として来てくれたり、
何食わぬサービスがお客様に喜ばれ、リピーターとして足を運んでくれる。
人の心というのは深そうで浅い。
なかなか手が届きそうにないと思われつつ、
ドアを開いてくれなそうに思いつつ、
いざノックしてみたり、不法侵入してみると
以外に浅かったり、する。
浅いというのは悪い意味ではなく、
真っ暗な深海のように見えないものとしてみると余計何も見えなくなるということ。
だから僕はいつもはじめて会った方にも自分の話を惜しげもなくする。
それが自分を知ってもらう最良の手段だから。
そうすればエメラルドグリーンの分りやすい心に見えるかなと。
そうすれば少し近くなるかなと。