okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

いわしや

銀座コリドー街を少し入ったところにある銀座 いわしや。

サラリーマン時代の先輩の同級生のご家族で経営するイワシ専門店。

久々に今日ランチしました。
本当に美味しかった。

ランチの幸せを感じました。

小学校の頃(まだ家族が平凡に暮らしている頃)、毎日イワシの煮付けを食べていた。
本当に毎日だった。

納豆とイワシ
これがあれば生きていけると思うくらい。
飽きずに僕は大好きだった。

僕の家族だんらんはそのイワシとともに無くなった。
家族はバラバラになっていった。

こうして鰯を食べるとその日を思い出し、考え深いのとともに、
幸せを感じる。

イワシが何も考えずに食べれる幸せや、
ほかほかのごはんが何も考えずに存在する家庭。
それにずっと憧れているのかもしれない。

今日食べたイワシは最高にうまかった。
接客も素晴らしく、内容も完璧。
あんなに美味しいご飯粒も久々に食べた。

そういう当たり前のようなことを当たり前と思わず、
それが特別なことだと思える自分であることはすごく幸せだと思う。

それは家族環境が与えてくれた僕の良いところだと思う。
当たり前のことに感動できる幸せ。

それが今の自分を支えてくれている。
だからイワシもそうだが、家族が破壊したことで僕には相応の感度が備わったのだろう。

もちろん失ったものも多々ある。
でも不思議と失ったものは記憶からも無くなっている。
嫌な記憶は最高の幸せには勝てないのだ。

僕は記憶を塗り替えた。
最高に幸せなことしか僕には残っていないような気がする。

今日、鰯を食べて・・・
混雑している店内でも楽しそうにしてくれる顔が嬉しく・・・
混んでいて入れなくても・・・「おけいちゃんのお店が繁盛してくれて嬉しいよ」と声をかけてくれる常連さん。

本当に幸せだと思う。
またおいしい鰯を食べさせてもらおう。
また幸せにしてもらおう。

それをココでお客さんに返そう。

僕にはここがある。