okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

田上ラストイブ

こうして田上君のことを書いて三日目か。
よくよく考えてみると彼がいたのはたった10か月。
出会って一年足らずか。

人というのは何かに集中している期間はとても長く感じたり、短く感じたり・・・
人それぞれ感覚はあるけど、いつもとは違う時間の流れになるものだ。

僕も同じく彼との10か月の間隔をとても長く感じている。

彼が特別出来た男でもなければ、大した男でもない。
むしろ入ってきたときは、まだまだ人とのかかわりが下手で無口な奴だった。

いろいろ文句も言った。
でもそれはお店を持ちたいと言っていたから。

この日記にも書いたことがあるだろう、文句を。

でもそれはただ単にいらいらしていたわけでなく、
やらなきゃいけないことをやってなかったりすると嫌だっただけ。

日に日に彼は男になり、今は人の目を見て空気も読め、
自己主張ができ、何より根拠のない自信まで付いた。

細くすれば根拠のない自信は見えない自分への自信なので
僕はお店や会社をやるものには必要な要素だと思っている。

誰にもわからない、自分だけがわかっている自分の強み。
それこそが、オリジナリティの始まりであり、自己啓発の一つだから。

今日もこうして彼を惜しむ方からの花や贈り物が後を絶たない。
自分が作ったお店でこうして幸せがうまれていくことが
僕がどれだけ嬉しいか君にはまだわからないだろう。

わかるのはお店を出して、お客様が来て、生活ができて
スタッフを愛することができたら。

その日には一緒に飲もう。
その酒が来ることを待っている。