okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

nico

pizzeria-okei2008-08-26

今日は本当にたくさんの嬉しいことがあった。
正直、オープンして以来、こんなにうれしい日はなかったかもしれない。

まず、誕生日の方が多かった。
これは毎度のことながら本当にうれしい。
一年の一日しかない日をここで過ごしてくれること、
それがどれだけお店のものが嬉しいことか。
たぶん、お客様には伝わらない。
でも、マジでうれしいのだ。
無数にあるお店の中でここにきてくれることが・・・・。

この場を借りてお礼を言います、ありがとう。
そしておめでとうございます。

そして、二つ目。
このお店で愛を深め、このお店でプロポーズを受けた二人。
その二人が酔っ払いながら、今日、入籍した報告だけのために
このお店に11時前に来てくれた。
僕たちへ報告だけを市にわざわざお店に来てくれた。・・・

「このお店が始まりだし、このお店がなければ今はないから」
と。

僕らが勝手にオープンしたお店をこんなに大切に思ってくれる人がいること。
泣けるほどうれしかった。

僕はあの瞬間、世界のだれよりもいい笑顔をしていたと思う。

そして三つ目。
ベルギー人のnico。
一年くらい前に初めてここに来てれた。
もちろん、日本語は喋れなかったが、何となく仲良くなった。
ベルギー在住の彼は数回出張で来てくれた。

かれは趣味で絵を描いている。
趣味と言ってもいろいろ見せてもらうとかなりのもの。
こないだ来たときに「このお店の絵を描いてくれよ」ってお願いした。
片言の英語でなぜか伝わる・・・。

そして数か月がたった今日。
かれが満面の笑みで急に入ってきた。

「ちょっとこい」
そう、僕をお店の外へ呼び出した。

「プレゼントをベルギーから持ってきた」

あけるとこのお店をイメージしたという絵だった。。。。

ハート型のピッツァを描いたニコの絵は感動的だった。

嬉しくて泣いてしまった。

だって考えてみてほしい。

異国の小さなイタリアン。
そのお店のために、ベルギーで絵を数カ月かかって書いてくれて
ここに持ってきてくれる。。。

そんなことあるわけない。
でも僕にはそのプレゼントがあった。

僕は世界で一番のプレゼントを頂いた。
愛と彼の優しさと素直な気持ち。

一生忘れないプレゼント。
これ以上のないプレゼント。

人に何かをするとき。
どうしてそれをするのか。
そこには見返りを期待していないのではないか。
それができる人はそれをしてもらったことがある人だけ。

そう、人への優しさの究極は誰かの優しさからつながれた約束なんだと思う。

「この優しさは僕も◎◎にもらったもの。だから誰かに伝えるのが約束なんだ」

そういうギフトなんだと思う。

僕はそのギフトを頂いた。
必ず沢山の人にこのギフトを届けなきゃいけない

ニコ。本当にありがとう。

http://www.nicoart.be/