okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

ペイフォワードがいつも頭から離れない

何かを見学や観光、いや普通に歩いているだけなんだけど、
冷静に周りを見渡せば、みんな写真を撮る。
携帯という遊び道具は僕らに多くのものを与えて奪っていく。
自分がそうじゃないわけではない。
自分もまさにそうしてしまう。
自分の結婚式の時、披露宴はOKだったが
式の最中は撮影が禁止だった。

それがその式場のルールだった。

あの時にいいなって思った。
フィルターごし、ファインダー越しに見る世界と
やっぱり生の世界とは違う。
サッカーを見に行くときに携帯で取りながら見る人はあまりいない。
せっかくliveにいるのに意味がないから。

そして何かを失いながらも撮影したデータ。
撮影して満足してしまうことが多かった。

それでは何にもならない。
見返しても何か違う。

何か違うと何となく感じているから、見なくなるのじゃないか。
いつか。そのうち。

そうしている間にその思い出は、風化してしまう。

結婚式が終わり、お友達のみしちゃんが、僕にたいしたもんじゃないけどーって
写真を集めた冊子をくれた。

これは嬉しかった。

そして、自分もそうしようって思っていたから余計に。
人に対してそれをやろうとは思っていなかった。
自分の思い出をまとめていこうと思っていた。
ただ、仲間や知り合いとの思い出もできるだけそうしてあげたいと思った。

善意の受け渡し。
ペイフォワードという言葉がいつも頭にある。
自分がしてもらった善意をその人に対してではなく、
それ以外の人たちに返すこと。
草すれば善意で世界が埋まるんだという考え方。

会社でもよく使う言葉だ。

まさにこれはペイフォワード。
少しずつ実行しているがまずまず。

携帯が僕らの世界を変えた。
成長したものは時として何かを奪う。
でも、よく考えたらまたそれが成長につながる。
写真も残しにくかったのがこうして残しやすくなった。

お店もスタッフもお客様も
良くも悪くもokeiができて変わった。
失ったものも数多いが、
それだけじゃない。

必ず幸せだと言える人生なんてないけど
少なくても今こうしていることが幸せだと思っている。