京都・イタリアへ旅立ったアルバイト千田君。
僕は彼に何を餞別にあげればいいか悩んだ。
人生節目は誰しも経験する。
小さな節目だが彼にとっても僕にとっても節目な日だった先週金曜日。
僕は特別な感情でその日を迎えた。
まずは僕がお店を出して初めて自分のお店をやめる人。
そしてそれを快く送り出せること。
彼と一生の同士になることがお互いなんとなく理解していたこと。
飲食業の中身は色々とある。
どの仕事もそうかもしれないが、同じようにアル。
大きなものがバックレやより良くお店を辞めれない人が多いこと。
サラリーマンでは考えにくいが突然来なくなったり、売上を盗んだり、人のものを盗んだり・・・。
そうしてやめていく人が沢山いる。
またお店自体も借金を抱えて夜逃げする人が後を立たない。
そういう業態をやっている僕としては彼を拍手で送り出せるお店であったことが
誇りだった。
初めての誇りだった。
彼もそうだと思う。
そんな彼に僕はハードカバーな重厚な日記をプレゼントした。
これから一年の間に京都とイタリアで何かを掴むであろう千田君。
僕はこのブログやミクシーでの記録で自分を振り返る。
自分の軌跡を振り返ることは力になる。
自信にもつながる。
だから彼に日記を手渡した。
あの日記が汚く彼色に染まることを祈る。
そして彼が一年後戻ってこれる場を作ろうと思う。
この店が今以上に最高のお店になっているように前に進もう。
彼は旅立った。
そして最後の送別会。
3人で行ったすし屋で彼は涙を流してこういった。
僕はこの言葉を一生忘れないであろう。
「okeiがあってよかった。
ありがとうございます、片寄さん」