okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

ボーナス制度を廃止します

結論から言いますと、17年間大切にしてきた「ボーナス制度」を廃止することを
スタッフ全員に連絡をしました。
皆さんの年収は変えずに、決められたボーナスを月々の給与に乗せて前倒し支給するというやり方に変えます。
本当は12月から実行しようと準備してきたのですが、来月から施行することに前倒ししました。その理由を含め色々書こうと思います。

まず僕がこのボーナス制度を導入を決めたのはお店を出す17年前。
サラリーマンだった僕は毎月のようにカードの請求が月給を超えてました。
やばいやばい!って思っていましたが、半年に1回来るボーナスで救われていました。
その経験から、イレギュラーなお金は人を豊かにするって思っていたのです。
なので、必ずボーナスを支給するというのが僕のプライドになりました。
そのプライドを17年間守ってきました。
その内容も独特。年二回支給というのは一般的。
ただ、基本給ベースではなく、額面の支給額がベースにしているというのがみそ。
例えば、基本給と時間外手当や深夜手当などを足して額面30万の方がいたとします。
そうしたら、その30万が手取りになるように社保を逆算します。だいたい34万くらいでしょうか。
それを年二回支給するので年収としては14か月分以上になります。
これが17年間続けてきたボーナスの全貌であり、震災があろうが、コロナであろうが、支給してきました。
もちろん僕の給与がない時もありますが、そんなの関係ねーってことで。
一種の意地みたいなものかもしれませんが、継続してこれたことはスタッフの気持ちと理解があり、
僕の心が伝わっていた結果だと思っています。
ありがとうございました。
コロナ時代があり、いろんな事がありました、書ききれないので止めます笑
良いこともありましたし。
お店がいろんな場所に展開することになって、理由はネガティブでしたが、新鮮なフレッシュな気持ちがいっぱいになり、
自分自身も初心者というか新しい感じで過ごせています。
ただ、どうしても全6店舗のスタッフと身も心も行き交う話ができる時間はありません。
いろんなツールを使い、自分の気持ちや考えは伝えています。
もちろん、スタッフも話を伝書鳩してくれたり、管理者たちはそこも考えてくれています。
でも新橋だけでやっていたような感じには即座にはできないでしょう。
少しずつ、そこが僕もストレスになっていましたが、最近少しずつみんなとも話す時間を取れてきたなって
ニコニコ出来てきました、良かったー。
で、話を戻すと、ボーナスについて来年度から廃止しようとしたのはこうした背景から、
その意味合いとか気持ちとか愛情とか覚悟とかが半年に1回あるもので伝えるという「出し惜しみ」をするのはやめようって
思ったんです。
日々の感謝を月々に合わせて支給していくことで豊かになる時間が増えると考えました。
だから、想定されているボーナス支給額を12か月に振り分けて給与として支給。
基本給などが大幅に増えることになりますね。
これは企業としてはリスクもあります。基本的にあまり給与を下げるということは企業はできませんので、一度上げるといろいろとありそうです。
また、途中入社や途中退社の方に対してはボーナスがなかったのに、これからは最初から少しずつ支給されているような形になり、人件費が増大します。
ただ、そうします。
そしてそれを7月からの給与からスタートしようと考えたのは求人サイトを見たり、聞いたり、現在の飲食店の求人屋さん営業とも打ち合わせをさせてもらった結果です。
膨大な求人があり、自社のお店が求人を出しても埋もれてしまう今。
ヒトヅテで決まることもありますが、それすら飽和状態。
そんなこと今までもあったのであまり気にしてませんでしたが、ボーナスというものが不透明なものとして君臨している、という飲食業界の「普通」に巻き込まれていることが危惧されました。
自分は先に書いたようにある程度まとめた金額が人を豊かさにすると考えて、支給してます。
ただ、ボーナスという表記だとどうしても「5000円」とか「30,000円」とかでもボーナスになり、出す義務も経営者にはありません。
また、飲食で働いている方はあまりボーナスをもらったことがない方も多く、もらう方も少なくてもなくても「当然」。そのあたりが僕や僕の会社のスタッフとかかけ離れているのですね。
だから、知らない方が僕らの会社の求人を見てもそのあたりがあまり伝わらないのです。
いい仲間が来てくれて、友達が出来ていく。
入社して永遠の仲間になる人もあるだろうし、今のスタッフにもいい仲間が来てくれることが一番嬉しい。
その機会を「ボーナス」という「不透明」と思われる給与で喪失しているような気がしたのです。
であれば、僕が17年間支給し続けているボーナスを廃止し、各月に分配することで、僕からの愛情や気持ちは伝わるんじゃないかって。
例えば、初任給は21万円ですが、25万程度になります。
現スタッフのみんなの中で新しいスタッフも、まだボーナスをもらっていなかった人もいます。
その人たちもまだもらってないから、「不透明」だったかもしれない。
それが来月からは解消されるのです。
また、長いスタッフたちも改めて分配されると、意外ともらっていた金額に驚いたりするかもしれません。
ボーナスが廃止になっても、決算時にある純利益を分配するという制度は残っていく予定です。
来年度はまたそのあたりも各店舗ごとに見直していくこともあるかもしれません。
ただ、そこは給与を下げたいということではなく、みんなにうまく分配するやり方をずーと考えているということです。日々、いろんなことをスタッフが考えます。
嫌なこともあるし疲れる、辞めたくなる時もあります。
そんな時に話をしてわかることもあるし、ふと給与を見て落ち着くこともあるかもしれない。
自分の気持ちがどっかに散りばめられたそんな自分でありたいし、会社やお店をやっていきたいと思います。