okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

夏フェスに行く理由をもう一度。

スタッフと仲間、総勢35人ほどで夏フェスに行ってきました。

山中湖で行われた「SWEET LOVE SHOWER」 です。

改めて整理しておくと、僕は夏フェスが好きです笑

で、お店を構えてからはスタッフや仲間と訪れて楽しんできました。

当初は「サザンが見たい」「フェスに行きたい」そんな単純なものでした。

ロックインジャパンというフェスにずっと生き続け、仲間が出来て、思い出が重なっていきました。

これは行った人しかわからないし、行き続けた人しかわからないことやものです。

ただ、行かないとわからない・・と切り捨てるわけにもいかないくらい、何か人生の中で特別なものになってきていますし、これからもそうのはず。

それがコロナで奪われ、何か両手をもがれたような。。。。そんな気分でした。

それが今年復活出来て、新スタッフたちとも行けて、少し光が見えたような気がします。

きっかけはどうあれ、僕にとってこの夏フェスを「研修」のような意味合いにしているにはいくつか理由があります。

① フェスに行く理由と持ち帰る思い出の差

僕は桑田さんを見に行ったのがフェスの始まり。20年前の話。

20人くらいだったかな、先輩たちや同期などと行きました。その中でウルフルズを見たり、スピッツなどなど、色んなアーティスを見て大興奮したのを今でも覚えています。そして何より、広大な敷地で空が広く。乾杯のビールのうまさ。ステージからステージを移動中や飲みながらいろんな話を仲間とする、そこでしかできない会話や温度。

帰るときには、サザンだけじゃなくて、色んなアーティストとあの解放感と、仲間との何とも言えない時間を持ち帰っていました。

行く目的を果たしただけじゃなくて多くの思い出や豊かさを感じることが出来ました。

これが飲食店のすべてかなって思います。

お客様が目的を持って入ってきてくれて(ピザを食べるとか)、それに応えるだけじゃなくて、サービスがいいとか、パスタもおいしいとか(話が楽しかったとか、気配りとか、パスタなどほかのものがおいしかったとか)、そのほかの感度や楽しみを与えたいじゃないですか。それがフェスそのものだなって。

あの楽しかった空間。連れてこられた人も行きたかった人も、何か誰かに伝えたい「キモチ」が芽生え、来年も行きたい!そうやって思うのがフェスだし。そういうお店をやりたいなって思う。

② 楽しい裏にはしっかりとした準備や実行がある

今までいろんなイベント仕切りをしてきた。結婚式司会やこうしたイベントごとの仕切りは多かった。その持論としては、誰かが楽しいって思うためには誰かが無償の愛情で「つらさ、きつさ」の向こう側をみえないといけない。

楽しんでくれる方々を思いながら過ごす時間がどれだけ過ごせるか、それが大切だと思う。辛さというと楽しいことなのに・・・って感じなんだけどちょっとした感覚の差です。

皆が楽しいのが好き。だから楽しませるため、あれもこれも思いついちゃう感じなんです。その準備がまた大変になったり。でもその小さな積み重ねで、イベントごとが楽しくなる。そう思っています。

夏フェスに30人以上で行く人はたぶんいません。だからフェス自体が団体向けには作られていないんですね、だいたい。だからオリジナルで考えていかないと、楽しめなくなるんです。場所確保のために半日を費やしたり、夜中ずっと並んだり。寝ないで雨の中走ったり。文字で書くと簡単ですが、なかなかです。やはり辛さの向こう側を見れないとできないと思います。ライブも全部見れるわけじゃないですし、遊んでばかりもいられません、。チケットを取ったのにそれを使いきれないのです。

また、そもそもチケットを取る、貸切バスや宿泊を探しとる。いろんなことがあります。現場でも判断が必要だしね。

そういう企画と実行力が確実に必要で、自己犠牲があるのです。

そこには時間や投資金も出てくる。その向こう側が見たくて。

もちろんフェスそのものも楽しんではいますが、それだけでは35名を楽しませることはできない。いろんな意味で飲食店のそれに通じることだと思っています。

長い間かかり仕込んだものは美味しいけどすぐなくなっちゃう。だからいとおしい。

スタッフとのコミュニケーション、お客様との距離感も作るのは難しいけど、壊れるのは簡単。大切な時間や人は一生懸命力を注がないと得られない。

フェスでの自分はそれにあたり、最高に楽しく終われば実は泣きそうになります。そしてみんなの顔や表情やお礼の連絡、それらを見てまた生きていこうとか、頑張ろうって思っています。

フェスが僕を成長させてくれている。そして一緒に行く人を幸せにしていると思う。そして、僕の目標の一つは一緒に言った仲間がその楽しさや感動を人に伝えたり。誰かにしてあげることなんです、それ一番のキモチ。

③ 年に一度の場所であること

毎年同じフェスに行くことやいろんなフェスに行くこと。

それは毎年イタリアに行く、富士山に登る、毎週同じ店に行く。

それらと近いと思う。

僕の感覚はこう。

年に一度、フェスに行くこと、まー一度じゃなくてもいいのだけど。

特にロックインジャパンがすべてだったが、あの場所に行くことが目標だった。

その場所に毎年行けることが自分が生きているってこと。みんなを連れていけることや楽しませることができること。出会いがたくさんあって。

本気で泣いていることが多かった。よし、まだやれるやれるって。

今年もそんな気分だった。一人で木の下で2時間くらいいた2日目。

あの時間にいろんなことを考えていた。

ブルワリーを作れたこと、失ったお店のこと、今の問題課題。

全然馬鹿社長だから、みんなにも負担をかけちゃう。悩んでやっているけどダメダメなこともある。でも毎年こうして仲間が集えるならいいじゃないか。

そんなシンプルな気持ちになるんです。リセットしてくれたり。パワーくれたり。

今情報過多の時代、なんにしても否定論がある。ちょっと疲れます。

起業して経営していけばそんなものを嫌でも気になるから見ちゃう。

でも結局は自分の会社だから自分がよければいいともいえる。

夏フェスに120万とかかかって遊びに行く効果ってわからないじゃないですか。

イタリア研修も500万以上かかったし。成果を最初から求めてはいけない。

結果はわからなくても、良いって思うことはやりたいのです。

僕の中ではそれは重要な考え方の一つです。

あ、お金持ちじゃないです、僕。そして今だから言えるわけじゃなく、22歳くらいからこういう考え方でやってます。

長々と書きました。

これはスタッフにも伝えたいことだし、知ってほしい気持ち。

本気で遊んで本気で学んで本気で人と接してほしいのです。

効率や自分の時間が奪われたりすることを恐れないでほしい

凡人である僕らは、いかに自己投資したかですから。