okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

魔法

僕の店は新橋の駅近く2階にある。
徒歩一分だが意外とわかりにくいところにある。

ちなみにこのお店が不動産としてオープン情報になった時点で僕は
申し込みを入れ、「ここでやるんだ!」と思って必死で「取りに行った」。

半年以上物件を探していたから。

ただ、このお店の周りの店舗の人や地主っぽい人に立地的にどうか?と質問した時には、口をそろえて

「あの物件はどこも流行らないからやめたほうがいい」

といまいちな反応だった。

でも「駅から近い」「手ごろな広さ」「繁華街が近いが、ほんの少し外れたい」という「一階」という希望以外はかなえてくれた場所だったからやりたかったからその意見を全て無視した。

ただ、2階であることと人通りが激しい道ではないことなどはすごく心配だった。

正直今でも悩んでいる一つである。

でも2階でやってすごい良かったと思うことが一つだけある。

「お客さんが勇気を持ってきてくれることがうれしいこと」

これは本当に心が打たれるんだ。
ドアを不安げに開けてくれる瞬間がタマラナイ。

だって下からはどんな店か検討が突かないから。

一階の店であれば、全く別の考え方をしていたと思う。
目の前を通り過ぎる人が入らない辛さを味わっていただろう。

ガラス張りにして外から見えやすい席からお客様を通し・・・。

今はとにかく来てくださったお客様を大事にしたいし、心からありがとうの気持ちでいっぱいでいれるから。

正直どれだけの人が前を通り過ぎているかなんて考えてない。

来てくれている人だけを考えている。

2階でいること。

これは大好きなこのお店に感謝しつつ、お客様をいつも純粋に気持ちよく迎えられる魔法にかけられているということ。

2階の魔法は解けない。