okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

広告という世界

僕は7年間、広告を作る仕事をしていた。
大学を卒業し、すぐに入社。
僕にとって社会とは広告代理店で学んだものが全てといっても過言ではない。

実に華やかな世界に見える広告という場所。
でもそうでもない。
どちらかというとお付き合いする業界が華やかな感じだった。
でも仕事は充実したもの。
7年間辛いことは山ほどあったが今となれば幸せな7年だった。

しかし、あの時、今感じるような「販促・広告が人の心を動かす。広告を届ける側も、受け取る側も」という感覚は全くなかった。

okeiでは一周年を前に初めてお客様へ対してDMを送付した。
全てのお客様には送付できなかったが、名刺が残っている方には出来るだけ送付した。(もらっていない!という方がいたら、ご来店の際に言ってください)

その葉書には、僕がこの一年本当に楽しくこのお店に毎日立っていられたことへの感謝を心をこめて綴ったつもり。

そして今。
その葉書を持ってお客様がお祝いに来てくれる。
もちろんサービスを受けに来ていることは明確であるが、そうであっても一周年おめでとう!と言ってきてくれることの充実感は幸せを感じる。

しっかりと文章を読んでくれていることもわかるし、あのDMによって距離がぐっと近くなった方々もいる。

広告という世界にはこんな心を動かす世界がしっかりとあるんだと。

僕はこの気持ちをもっと早く知っていれば、もっといい広告が作れたと思う。

僕にとって広告とは、上っ面のものではなくなった。
純粋な気持ち。そう、素直な気持ちになった。

ただ単に売れる広告を作るんじゃないんだと。
その前に心を動かしていくのが必要なんだと。

こうやって別の角度からふと考えてそんなところにたどりついた。

僕にとって、広告が身近に感じられたひとときだった