okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

まごころ

いやー今日はお客様が来てくれなかった・・・・
衝撃的にお暇な一日でした。
んーこうやって気を引き締める一日も必要という神様からお達しかもしれないと・・・。

沢山のお客様が来てくれる日とそうでない日。
飲食店をやっている以上、ある程度そういうムラがあるのは致し方ないこと。

でもそれができるだけ少ない方がいい・・・。

とはいえ、一喜一憂はしないようにしているので、本質をもっと見て
これからの我々の成長を促せるような体制や各人の姿勢を整えていきたい。

先日テレビを見ていて、宮城の被災者の方々の話を聞くことができた。
まだまだ仮設住宅で暮らし、地震という見えない不安から脱出できないご老人がいることを
伝えていた。
そこへ若手ネイルアーティストが何かできないか、何か手助けができれば・・・と向かった。
洗濯物を一緒に取り込んだりしながら、被災者の方々との距離を縮めていった。

そしてある時、おばあちゃんの手に綺麗なネイルを塗ってあげたところ
今までふさぎこみだったおばあちゃんたちが御顔に化粧をしだし、
前に出始めた。

あるおばあちゃんが涙を見せながら言っていた
「まだいつ地震が来るかわからず、遠くに行く自信がない日々が長い間続いた。
でもふと自分の手を見ると、キラキラと輝いているネイルがあった。
それが私たちを明るくしてくれた」

地震の被災とネイル。
まったく関係ないどころか邪魔になりそうなもの。

でもそこに愛と真心と行動力があれば伝わるんだと。
人は何でもポジティブになれる力があるんだとおもう。
ネガティブに考えてしまうことも沢山あるけど
何かポジティブになる要素もあるんだと思う

それは決して直接関係あることでもなく、
少しのきっかけで自分たちを温めるものに変わることが改めて僕には伝わった。

okeiというお店はイタリアン、ピッツェリア。
そうであることは変わらない。
でもそれ以外の何かで、それとは関係ない何かであっても
ある意味があるというか、必要とされることはできると思う。

もっと温度のある温かい何かがあるんだと思う

それがしたくてサラリーマンを辞めたんだと僕は今思う。

決してイタリアンをやりたかったわけじゃない。
その温度を感じたかったんだと。

暇でも忙しくてもそれは変わらない

前を向ける要素はたくさんある。
後ろを向けばきりがない、

なら、前にある何かを誰かのために目指そうじゃないか