okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

ぐちゃぐちゃの袋

今日、中学からの友人が来た。
仲間と来たのだ。

いつものことと言えばそうなのだが、感動することがあった。
20年彼とともにいるが、20年で一番かっこいいところを見た。

当店の田上君がやめて、独立することは以前も話した。
30日にやめるので、最近は別れを惜しんでか常連さんが多数来てくれる。

そんな田上君に彼はスーパーマーケット袋を渡した。
送別の品だという。

開けたら・・・
ピッツァの生地を大理石の上に置いたりする道具だった。
実は当店で使っているその道具と一緒のもので彼にもらったのだ。
彼は長く某配達ピザ屋に勤めていたのでその辺の融通がきくのだ。
オープン当初お金がのない僕は、彼に沢山のものをもらった。

でもそんなに気の利くタイプではないはずなのに・・・。

少し涙が出そうだったけどギリギリこらえた。
男らしく、そして暖かいぐちゃぐちゃの袋だった。

でもその中には確かに男の約束と決心に対する敬意と激励が入っていたと思う。

プレゼントは内容ではない、気持ち。
でもたいてい気持ちのあるプレゼントは内容も素晴らしいもの。

それが彼のそれだった。

今日、2週間前に予約をした彼ら。
その二週間の間に以前の勤め先に頭を下げ、
ピッツァ道具を手配してもらい、ここへ持ってくる間の気持ちは
どこにいる誰よりもヤサシイ気持ちだっただろう。

そしてその相手が僕ではなく、僕の店のスタッフであることが
僕のすべてをぶち抜き、興奮させた。

僕は今日を忘れないだろう。
この感動は忘れることはないだろう