okeiのコトバ~okeiオーナー片寄雄啓の話~

神奈川大学を卒業し、広告代理店で6年間勤務。ウルフルズ「ええねん」を聞いて、飲食店独立を決断し、退社。2年弱の修業を経て、2005年に29歳で新橋でokeiを開業。(現在、Pizzeria Terzo okei,Viva okei,酒場961,OKEI BREWERY,Atelier de terrine maison okei,filoの6店舗)飲食の事、カズやサザンのこと、人生の事。コトバノチカラを信じて日記に示したいと思います

好きになろう

先日、タンブレッロ 大坪さんと夜中にゆっくり話す機会があった。
土曜日の夜。

お知り合いになって4年くらいだと思う。
とは言っても、自分が普通にお客様として行っていた時期が1年くらいあるので僕としては5年。

何度か会合でお会いすることはあっても、2名でというのは初めてだった。

僕が初めて大坪さんを見たのは、タンブレッロ。すでにスターだった。
初めて一人で行ったのに、図々しく色んなことを聞いた覚えがある。

2つの生地を重ねて伸ばしていたのに驚いて聞いてみたら、

「古い生地と合わせて使うのがナポリでは普通なんですよ」

初めて知った。
天井が高く、小さいのに大きなお店だった。

それから祝日と言えばあのカウンターにいた。
少しでも大坪さんの伸ばし方を見ては次の日、お店で自分でも同じ伸ばし方をやる。
生地の雰囲気を見ながら、物まねをした。

出来なかったけど楽しくピッツァを焼く事は出来た。
先の見えないというか、たどり着けないというか。

それがピッツァをどんどん好きになるきっかけだったかもしれない。
それから色んなことがあってね、僕にも。
大坪さんとこうして少しずつお話を出来るようになった。

これはスタッフのお陰もある
誕生日のお祝いにタンブレッロに行って
Tシャツを売ってくださいと言ったとのこと。
大坪さんはそれを聞いて、タダでくれて、なおかつ、いろいろしてくれて・・・。

そんなこともあって、今、いろんな話ができる。

ダメもとで結婚式にお誘いしてきてくれて。
僕は大坪さんのいるテーブルの名前を タンブレッロ というテーブルにして。

ただの憧れの人なのに少し近くに感じられたり。

人には誰しも目標とする人がいる。
・・・・わけじゃない。

誰もいない人だってたくさんいるだろう。

僕は今のスタッフに対しても、ああなりたいなーとこうなりたいなーとか
スタッフに憧れることもある。
カズみたいにスーパースターに憧れることもある。
大坪さんのように、同じ世界なのに次元の違うところにいるある種、スーパースターに
熱烈に憧れる。

僕には飲食業界でいう、師匠みたいな人はいなく、
色んな人に色んなことも少しずつ教わって、組み合わせたり、全く変えちゃったり。
そんな自分の世界を作ってきてしまった。

それがいい事でもあり、反省もある。
それを理解していること、変化できるところがいい所でもある。

憧れることができる。
人を好きになれる。
これだったら、すごい優れてます!って言える。

でもそこからじゃないかな。
人を好きになれれば、頑張れる。

嫌な人間と仕事をして、嫌いになっていたら
上司に怒られたことがある。
好きになろうとしてない!って。

それから少し変わっていった。

なんにしても、誰かを好きになって憧れて、
それに伴う努力をして、何かを得たり失ったり。

少なくてもそれが僕の人生かな。