夜中の24時。
お客様も少なくなってきた頃・・・。
「チリンチリン・・・」
お客様のドアを開ける音がした・・・。
ドアの方へ向かうとホテルに勤めている方だった。
地元も近いことから同世代であるということから、
僕が良くいっていたバーの常連さんだったことから
仲良くなった方だった。
「どうぞ」
というと彼は
「あ、今日はそうじゃなくて・・・・」
という。
近くによると
会社を退職し、今日で辞めるから最後に挨拶に来たという。
本当に嬉しかった。
横浜のレストランに勤めるのでたまには来てくれるかもしれないけど
なかなか会えなくなることは以前からわかっていた。
でもこうして最後の日に終電前のこの時間に来てくれる、思いだしてくれるお店でよかった。
こんな嬉しいことがあるんだなーと。
たぶん、僕の目標はこういったことだろうな。
誰かの心のどこかに僕やお店があって、それがふと思い出して貰える。
そんなサービスや食事を提供していきたいんだと思う。
誰かの心に残ること。
それをずっと続けること。
なんて困難な目標だろうか。
でもそれが少しずつ積み重なっていく様を見てみたい。
それをずっと見ていたい。
それが僕が年を重ねるということだと信じたい。
32歳になった自分への訓示だ